それではARFのカテゴリーを中心に一体飛ばすためにどのような機体と準備が必要になるかを一般的なものを中心に要約してみます。
ここ1-2年のモーターやバッテリーの進化には目を見張るものがあります。エンジ ン機となんら変わらないパワフルなフライトを楽しむことができます。一昔前の”電 動機は飛ばない”、”飛行時間が短い”という話はもう過去のものになりました。その上、音が静かで手が汚れない、芝も汚さないので、モーターグライダーも含め電動機の人気が急速に高まっています。 フライトシミュレータで十分練習をされ、 画面の中ではすでに離陸、着陸はおろかループなどもできていることを前提にしてこの話を進めます。これがリトルベランカ風のラジコン飛行機の始め方です。
-
プロポセット6チャンネル以上のコンピュータプロポでミニ受信機やミニサーボなどがセットに含まれているものをお勧めします。ところでこの6チャンネルとは機体をコントロールするために送る信号が4系統および呼びチャンネルが2系統あるということです。これによりモーター、エルロン (主 翼に付いています)、エレベータ(水平尾翼についています)、ラダー(垂直尾翼 につ いています)の4系統をコントロールすることができ、また将来引込脚やフラップあるいはフラッペロンなどを使うことができます。実際には送信機から送られた信号を機体内部に収められた受信機が受け、それを電流値として変換してスピードコントローラーやサーボ に伝え、各サーボとピアノ線やワイヤー等によって連結されたエルロン、 エレベータ、ラダー等が動くことになるわけです。送信機側のスティックを動かした量とスピードに比例(Proportional-プロポーショナル)してそれらが動くので、日本では略してプロポ と呼んでいます。アメリカなどではラジオと呼ばれています。コンピュータプロポについての詳細は避けますが、非常に便利なミキシング機能や何機もの違う機体データを1台の送信機に蓄積しておくメモリー機能などがついています。現在売られているプロポのほとんどがコンピュータプロポなので安心してください。標準の飛行機用6チャンネルプロポセットには最低でも送信機、受信機、サーボ、スイッチなどが含まれています。高くても長く使えるものを最初から購入したほうがよいと考えがちですが1年もするとさらに性能がアップしたり、モデル自体もチェンジされるのでそのときに必要で十分なものを買うほうが結局いいと思います。
-
モーターの選択
もしモーターやギアユニットがARFあるいはバルサキットに付属していなければキット指定のものあるいは相当品を別途購入することになります。もちろん迷わずブラシレスモーターを選択すべきです。普通に使うなら寿命も半永久的で メンテナンスフリーといっても過言ではありません。現在はモーターの外ケースが回転するアウトランナーが主流です。モーターの選択はカタログで検討したりほかの方のとび具合を見たりショップに相談されるのがベストだと思います。この過程でよくつかわれる言葉にKV値があります。1Vの電圧をかけた時にモーターが何回転するかという数値です。このKV値は、モーター内部のコイルの巻き線数によって変わります。一度電動をはじめるとどんどん知識が蓄積されていきますので安心してください。
-
スピードコントローラー(スピコン、アンプとも呼ばれます)の選択
最近のARFの中にはこのスピードコントローラーがモーターとともに付属しているもの もありますが、多くのキットの場合には含まれていませんので別途購入することになります。選択したモーターのカタログに適合バッテリーや適合ペラなどとともに電流値あるいは適合スピードコントローラーが記載されていることがあります。これらを参考にして選択することになります。またブラシレスモーターにはもちろんブ ラシレス専用のスピードコントローラーを購入してください。スピードコントローラーにはBECとOPTOという2つの仕様がありま す。BECとはBattery Eliminator Circuitの略で、モーターを回転させる動力用のバッテリー電力が低下してくると、サーボを動かす余力電力を残して自動的にモー ターへの電力を止めてしまう回路のことです。したがってモーターが止まってからで も操縦系統のサーボはこの余力電力で動作できるため安全に手元まで回収できるわけです。スピードコントローラーはその名の通り、モーターの回転をコントロールしています。 エンジン機でいえば、エンジンのスロットルを動かすエンコン用サーボ と同じ働きをしています。さらに上記からもわかるようにBEC仕様のスピードコントローラーは受信機を通じてサーボに電流を送っています。逆にいえばBEC仕様ではバッテリーを動力系と操作系で共用することになります。このおかげで全体の重量を軽くすることができます。これに対してOPTO仕様のスピードコントローラー はバッテリーを共用しませんので受信機用バッテリーが別途必要になります。それゆえ動力用 のバッテリーを使い切るまで使うことができるようになっています。操作系のバッテ リーを別途搭載しているためモーターが止まってからでも充分に長い間飛ばしていることが可能になります。
-
バッテリー現在の主流はリチウムポリマーバッテリーです。ニッカドと比べて高密度の2次バッテリーで放電レート(20Cとか50Cと呼んでいるものです)も毎年飛躍的に改良されています。初期にはよく膨らんだり燃えたりしたことがありましたが、約束を守って充電してメーカー指定の範囲内sw使用する限りきわめて 安全で強力なパワーソースです。スポーツ機やスタント機などには放電レートもあまり高くない20C-40C程度が向いています。パンチはありませんが最初から最後まで同じレベルの出力が得られるメリットがあります。またダクテッドファンやアクロ機などは短時間で爆発的なパワーを必要とするため、50Cとか70Cなどの放電レートの高いものを使用します。ところでこのCというのはCapacityのCで、バッテリーの容量のことです。50Cとか70Cとはバッテリー容量の50倍とか70倍の電流値が流せるということです。
-
充放電機リポバッテリーを充電するにはリポを充電できる充電器を購入しなければなりませ ん。充電のレートはバッテリーの容量と同じレートで(1Cという)行ってください。 リポの場合にはメモリー効果がありませんので競技に出るようなフライヤーなどでもなければ、購入後直ちにいわゆる“慣らし”と称するような強制的な充放電を繰り返す必要はありません。間違えて過放電になってしまうこともあり、危険です。
-
充電用バッテリーおよび安定化電源12Vの自動車用のバッテリーは重いですが、一個用意すると便利です。飛ばす場所 まで車が入っていけるなら車載バッテリーを使うことも可能です。しかし長い時間充電を繰り返して帰りに車のエンジンがかからないといったことの無いよう気をつけてください。家では100Vから安定的に12Vを取り出せる安定化電源装置が便利です。
-
コネクターと半田づけ
電動をやる人にとってコネクターは非常に重要です。若干でも抵抗が少なく、かつ接触不良の起こさない接点の多いものを選んでください。ゴールドコネクター、Deansコ ネクター等が超お勧めです。 またコネクターとケーブルのはんだ付けは極めて重要で何度も練習する必要があります。